「梵語」「梵字」「サンスクリット語」。似た場面で使われることの多い言葉ですが、それぞれ何を意味しているのでしょうか。
今回は、その違いについて簡単にご紹介します。
「梵語」とサンスクリット語
「梵語(ぼんご)」は、日本で古くから使われてきたサンスクリット語の呼び方です。
つまり、梵語とサンスクリット語がまったく別の言語というわけではありません。
仏教がインドから中国を経て日本へと伝わる中で、サンスクリット語も仏教と深く関わる言語として伝えられてきました。
「梵字」は言葉ではなく文字
一方、「梵字」は言語そのものを指す言葉ではなく、サンスクリット語などを書き表すために用いられてきた文字を指します。
日本では特に「悉曇(しったん)」と呼ばれる文字体系が仏教とともに伝えられ、現在も寺院や仏像、仏具など、さまざまな場所で目にすることがあります。
一文字によって仏さまを象徴的に表す「種子(しゅじ)」も、その代表的な例です。
サンスクリット語は一つの文字だけではありません
現在サンスクリット語を表記する際には「デーヴァナーガリー文字」が広く使われていますが、サンスクリット語そのものが特定の一種類の文字と結びついているわけではありません。
長い歴史の中で、地域や時代によってさまざまな文字を使って記されてきました。
そのため、
サンスクリット語(梵語)は「言語」、梵字はそれを書き表す「文字」
と考えると、違いがわかりやすくなります。
梵字の意味や背景を知ることで、お寺や仏像を見るときにも、これまでとは少し違った発見があるかもしれません。
サンスクリット語を入り口に、その文字や言葉の背景にもぜひ触れてみてください。